いるからきなよ
インターネット越しの展示体験・共同体験を促す4作品を、YouTube Liveで展開し、1時間だけの個展を開催するシリーズ。具体的には、「ゴリ貝」「Alive」「openSE」「全部同じ顔だな」を展示し、参加者がインターネット越しにコミット、それを作家本人がファシリテーションする形で実施した。
インターネット越しの展示体験・共同体験を促す4作品を、YouTube Liveで展開し、1時間だけの個展を開催するシリーズ。具体的には、「ゴリ貝」「Alive」「openSE」「全部同じ顔だな」を展示し、参加者がインターネット越しにコミット、それを作家本人がファシリテーションする形で実施した。
コロナ禍の到来によって、ビデオ通話や音声SNSといったオンラインコミュニケーションが活発化した。そんななか、オンライン授業やトーク配信におけるコミュニケーションは、話し手と聞き手に分かれ、両者のインタラクションは主にチャットなどの文字によるものとなっている。本作「openSE」は、こうした状況下で、聞き手が話し手に干渉できるトラフィックを増やし、0でも100でもないコミュニケーションを実現する目的で制作した。
具体的には、聞き手がリアクションや任意の言葉を送信し、話し手サイドで出力されるそれらの音源を、マイクやミキサーを通して皆で共有するウェブアプリケーションを構築した。入出力をウェブブラウザに実装することで、何らかのアプリケーションを導入する必要がなく、アクセシビリティを高めている点が特徴である。
実際に、大学の講義や各種トーク配信、オンラインワークショップなどに導入したところ、配信空間を皆でつくっている感覚があったという。これは、言語やスタンプといった視覚にもとづく情報処理と異なり、音声という迅速な刺激をもたらすメディアゆえに生まれる臨場感であると考えられる。また、音声は空間への介入度が高く、話者がリアクションを余儀なくされるため、聞き手の満足感を生み、更なる相互作用を促す。そうした特性により、ラジオ放送での導入においては、放送側からリスナー側への主導権の逆転がみられた。
openSEは、チャットやスタンプのような、記号を用いた「主張」とは異なり、音声を用いた「リアクション」を提供しているため、相互に影響し合う空間が生まれている。すなわち、バーチャル空間における「共同体験」を生み出す装置である。
コロナ禍に見舞われた2020年3月、非常勤講師として講義することになっていた授業が、全面オンラインになりました。学生の皆さんと実空間を共有できなくなったなかで発想したのは、「皆がオンライン越しにこちらの空間に直接作用する」仕組みをつくることでした。そこで授業中、先生である私のZoom背景にゴリラのポスターを設置し、それをウェブブラウザを介して遠隔から操作できる(ゴリラの目が光り、ほら貝の音が鳴り響く)ようにしました。これにより、空間を超えたコミュニケーションを可能にしました。
日本を代表するお笑いトリオ、ダチョウ倶楽部さんの代名詞的ギャグである、通称「どうぞどうぞ」がはらむおかしみを、理論化とそれに基づく実装の揺り戻しで、「制作につながる知恵」にするプロジェクト。実装は、メディアを問わない実装は、22点にのぼった。また、助成に採択され、3331 Arts Chiyoda(東京)、Y gion(京都)で個展を開催した。個展に際しては、科学コミュニケーターとのトークイベントを実施し、研究と制作の違いを検討した。
ウェブサイト
https://dozo-dozo.tech/
助成
平成30年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業
個展
「どうぞどうぞ」をしらべる 外神田 @ 3331 Arts Chiyoda
「どうぞどうぞ」をしらべる 祇園 @ Y gion
出展
ENCOUNTERS 平成30年度メディア芸術クリエイター育成支援事業成果プレゼンテーション @ Ginza Sony Park
SF=すこしふしぎ展 @ オリエ アート・ギャラリー
本来、人間の肉体とは、生命活動を支えるビオトープである。しかし、人間はよくわからないことに向け、なかばムキになって自身の肉体に負荷をかけ、自身を構成する生態系を破壊していく。本作は、精神の解放であるカラオケに、意味もなく肉体的な負荷をかけることで、精神と肉体の限界をミニマルに体感する仕組みである。太ももの痛みと、歌い切ろうとする意思のせめぎ合いが、意味の無意味性を浮かび上がらせる。