空間スクリーン

鑑賞者の認知に起こる現象として、私たちの暮らす世界とは異なる、「コントロール可能な時空」を構築する作品。基盤となるのは、「空間スクリーン」という技術である。これは、特殊な回転体とプロジェクターを用いて、安価・簡易に、視域を限定しない裸眼立体視を実現するもの。「空間スクリーン」は、作者が投影原理を考案し、立体造形、及び金属加工を専門とする同僚と共に改良を進めてきたもので、東京藝術大学より特許出願中である。具体的には、3Dモデルを奥に向かって輪切りにし、それらを視聴者の目が追いつかない速さで特殊な構造体に投影することで、光の立体を構築するもの。こうして構築した立体に対し、さらに時間的な変化を与えることで、擬似的な時空を生み出す。視覚現象としての時空に踊る猿は、時間とは何か、空間とは何か、立体にとって質量とは何か、「見る」とはどういうことか、私たちが認識している世界とは何か、そして、存在とは何かを問いかける。また、視域を限定しない性質上、「皆で映像を取り囲んで観察する」というこれまでに無いアクティビティを実現する。

※本研究は、JST、COI、JPMJCE1308 の支援を受けたものです。

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金魚眼

浮世絵師・歌川国芳が擬人化したユーモラスな金魚たちを通して、その自然観を体感してもらう巡回型展示。浮世絵のクローン文化財(先端技術による複製の浮世絵)、国芳金魚の顔はめペーパークラフト、猫に狙われる金魚の眼差しを体験できるVRから成る。特にVRについては、水瓶の底に沈めた360度カメラの映像に、アニメ化した金魚をリアルタイムに合成したものをHMDで見渡すことで、ひとりで楽しむ「没入感」とは異なる、みんなで楽しむ「場をつくるVR」を実現した。

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